この度は思いがけずこのような大きな賞を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。これもひとえに、たくさんの勉強・経験の機会を与えてくださいました御家元先生、踊りの魅力・魔力を身体で示してくださり、この世界へと私を導いて下さった師匠である寿南海先生、そして、新春舞踊大会で長い年月お見守りくださりご指導くださいました協会の先生方、様々な舞踊会でご一緒させていただきありがたいご助言をくださった先輩方のお蔭と厚くお礼申し上げます。
新春の舞台に初めて立たせていただいた16年前と現在とでは、私自身も周りの環境も大きく変わってまいりました。しかし、毎年の暮れからお正月にかけて踊りと向き合う機会をいただいたお蔭で、その時その時の生活や、それに伴う気持ちの変化といったものが否応もなしに踊りに出てくるということを学ばせていただいたように思います。そのためにも毎日を心豊かに、大らかに過ごさねばと心掛けてはいるのですが、なかなか至らないことばかりで、もどかしく感じながらも、いつの日かいい舞台を、とつとめる日々でございます。
これからも、踊りとともに人生を歩める幸せに深く感謝し、そして、先生方に指し示していただいている踊りという魅力あふれる道のりの内の、何か一つでも、次の時代に伝えられるような人間、舞踊家でいられるよう、ただひたすらに精進して参ります。
最後になりましたが、これまで惜しみ無い協力をしてくれた家族にこの場をお借りして心から感謝いたします。
この度は皆様 誠にありがとうございました。
花柳智寿彦